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   花と言えば桜である

   日本は世界に冠たる桜王国である。

   山野に自生する桜の種類がずば抜けて多い国なのである。

   おまけにソメイヨシノに代表される園芸種を含めると

   その数は数百種にも及ぶ、まさに桜の国なのである。

   国花が桜であることからもわかるように

   桜に対する思い入れは、他国にはない特別なものがある。




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   南北に長い日本列島では

   桜はどこかで1年中咲いている。

   9月頃に多少の端境期はあるものの

   ほぼ一年中桜が見られるのである。

   最も早い桜は1月に咲く沖縄のカンヒザクラである。

   2月になるとカワヅザクラが咲く

   今回は河津桜について触れてみる。




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   カワヅザクラは2月から3月のはじめにかけて咲く早咲きの桜である。

   まだ吹く風も冷たい2月には咲き出すので

   春を待ちわびる人達からは万端の想いで迎え入れられる。

   そのやさしい花の色合いは、

   まさに日本人好みなのである。

   万葉の昔から愛でられてきた山桜などとは異なり

   歴史はまだ100年にも満たない新しい桜なのである。




   桜と雲 横位置デジ.jpg




   カワヅザクラと命名されたのは1974年のことである。

   原木は今も静岡県河津町の飯田邸に健在である。

   樹齢にしたら70年ほどである。

   この木を庭に移植した飯田勝美氏はすでに故人だが

   氏が近くの河原から庭に移植したのが1955年頃と言われている。

   花が咲くようになったのは1966年頃かららしい。

   花が咲いてみると今まで見たこともないような色合いと

   何とも早咲きだったせいで、たちまちのうちに評判となり

   花見の人が訪れるようになったという。




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   こうして地元の名を冠して河津桜(カワヅザクラ)と命名された桜は

   一体どうして生まれたのだろうか

   DNAの分析によると、カンヒザクラとオオシマザクラが両親と言う。

   いわば自然交雑によって生まれた新しいスターだったのである。

   両親の良い所だけをもらって生まれてきた新星。

   花が下向きに咲くところや早咲きの性質はカンヒザクラから

   花が大きく丈夫な所などはオオシマザクラから

   なんともやさしい色合いは、白い花のオオシマザクラと

   色の濃いカンヒザクラを掛け合わせたら

   まさにこんな感じかも、と私はいたく納得してしまったのである。




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          オオシマザクラ                          カンヒザクラ




   オオシマザクラは自分の写真を本から複写したので、やや質が劣るが

   花の雰囲気はわかってもらえるだろうか。

   伊豆諸島や対岸の三浦半島、房総半島、伊豆半島などの主に海岸近くの山に自生する。

   花も大きいが葉も大きいので、桜餅を包む葉としても利用されるので

   葉を収穫するために栽培もされている。

   カンヒザクラは昨年の1月18日に沖縄県の名護市で撮影した。

   沖縄県の石垣島や久米島などに自生と言われている木がある。

   原産地は亜熱帯の台湾から中国にかけてが主な産地である。




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   知多半島の先端にも河津桜の並木があるよ、と相棒が教えてくれた。

   まだ咲きはじめだけど見に行くかい、と誘ってくれたので

   ふたつ返事でホイホイとついて行った。

   風の強い日で、その日は雪もぱらついたのだが

   それもつかの間、すぐに晴れて、咲きはじめたカワヅザクラの枝には

   花の蜜を吸いにきたメジロ達がせわしなく動き廻っていた。




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   河津桜は比較的短期間に、あちこちに植えられ

   身近な場所でも見られるようになった。

   本場の河津町の河津川沿いに咲く850本もの桜は

   もちろん見事の一言に尽きるが、今年の桜まつりは中止となった。

   非常事態宣言もまだ解除されないコロナ禍の中

   今年は見学を自粛して、と実行委員会もアナウンスしている。

   桜は来る春ごとに咲く、コロナが収束して、堂々と大手をふって歩ける

   来年に期待しましょう。

   桜の木の下には菜の花なども植えられているので

   写真的にも、散策するにも、花より団子といそしむにも

   楽しみは先にあった方がいい。




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   まだ満開と呼ぶには、蕾があまりにも多い桜を

   下から飽かず眺め

   動きの速い白い雲に、何度も何度もシャッターを押しながら

   南知多町のカワヅザクラを楽しんだ。

   志摩半島の海が眺められる高台があるけど、行ってみる、と相棒

   キャベツの収穫のために、農家さんの手伝いに来ている相棒は

   この辺の地理に詳しい。

   キャベツ畑が右にも左にも続くくねくねとした農道を

   時に舗装もしてない道を進む。

   川津桜を見るための小さな旅の締めくくりは

   逆光に輝く眠りを誘うようなうららかな春の海だった。




   菜の花と志摩半島 トリミング.jpg









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   撮影は2021年2月17日 愛知県知多半島で。スマホのカメラがメインですが
   一部に本業用のデジカメ分も含まれています。
   オオシマザクラの写真はかつて雑誌『日本列島桜紀行』の中に書いた日本の桜図鑑より。
   日本全国の桜の名所がすべて網羅されている画期的なもの。古本屋あたりにあったら
   掘り出し物ですよ。

   静岡県河津町の桜まつりは、今年は中止です。出かけることのないよう自粛をお願いします。

   今年もゆるゆるとブログは続けますので、原動力となるコメントをお待ちしております。
   見たよ、だけでもいいのでコメントよろしくお願いします。
   先日思わぬ方が見ていてくれることがわかって感激しました。 

   
カテゴリー 旅行、アウトドア
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