気の早い人なら秋の紅葉と勘違いしそうな風景だが
まぎれもない春の風景である。
芽吹きの季節の深山は、秋の紅葉と勘違いするほど、多彩な色に溢れている。
いや、微妙な色のニュアンスは、秋以上かも知れない。
色は日に日に変わってゆく。
葉が展開する時間差によって、色が微妙に変わる。
色が動いている、といってもいい。
だから今日見られた色は、明日にはもう見られない。
それこそ出合ったその時限りの色なのである。
また芽吹きの色は陽のあたり具合によって、輝きもすれば、沈んだりもする。
私が好んで撮影する逆光は、とりわけ清々しい若葉を強調する。
撮影した場所は、北海道小樽の朝里川温泉から山を越えて、札幌の定山渓温泉へと続く林道
峠を越えて少し下ってきたあたりである。
色の濃いオオヤマザクラが満開で、
エゾイタヤやアカイタヤが若葉の展開と同時に黄色い花をびっしりと咲かせている。
この風景は一見すると若葉のように見えるが、じつは花盛りの風景でもあるのだ。
撮影は2012年5月18日 9時54分 北海道朝里岳付近の深山で
カメラ Canon EOS5D MarkⅡ
レンズ TAMRON 28-300㎜ 110㎜付近
絞りF18 シャッター速度 50分の1秒 露出補正-1 ISO100 色空間Adobe RGB